センチュリーロイヤル寝台車

 センチュリーロイヤルのリムジンに対し、ハイルーフ化されている。
前席は3人乗りとなっており、後部窓はカーテンがかけられる

センチュリーロイヤルというクルマ

そう、トヨタ自動車が、それまでの日産「プリンスロイヤル」にかわる御料車として開発、宮内庁に納入したクルマである。いうまでもないことだが、一般向けの販売はしていない、皇室専用車である。2006年より納入が開始された。

その名が示すとおり、ベースとなったのはセンチュリー。搭載されるエンジンは、センチュリー同様5ℓのV12型である。シャシーのベースはセンチュリーであるが、ロングボディの、いわゆるストレッチリムジンとされているほか、ハイルーフ化もされている。リアドアは後方ヒンジで前側から開くタイプに変更されており、いわゆる観音開きドアとなる。また、ご乗車される天皇陛下や皇族方のお姿がよりよく見えるように側窓が大型化されるなど、ベースとなったセンチュリーとはベツモノといっていいほどの変更が加えられている。

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ボディサイズは全長6155㎜、全幅2050㎜、全高1780㎜となり、センチュリーに対し全長は885㎜延長されており、全幅は160㎜拡大、全高は実に305㎜も高くなっているのであった。もちろん窓は防弾仕様。内装は、前席が本革シートで後部座席は布張りとなっているが、これは本式のリムジンの様式で、先代御料車のプリンスロイヤルも同様だった。

テールランプはクリアレンズ化されているのがリムジンとの違い↑

ちなみにセンチュリーロイヤルは合計4台が納入されている。通常、天皇皇后両陛下がご乗車されるのは「皇1」ナンバー車で、「皇3」、「皇5」は防弾性能がより強化された国賓接遇用の特装車となる。下世話な話だが、価格は「皇1」が5250万円、「皇3」、「皇5」がそれぞれ9450万円とされている。「皇4」ナンバーは欠番。

センチュリーロイヤル寝台仕様が登場

そして、今回注目の的となったのが「皇2」ナンバーをつけたこの写真の寝台車仕様。

2014年6月8日に亡くなられた桂宮さまの葬儀、斂葬の儀が6月17日に執り行われた。

2赤坂御用地内の赤坂東邸から斂葬の儀が行われる東京都文京区の豊島岡墓地まで、桂宮さまを乗せたのが、このセンチュリーロイヤル寝台仕様。

初めて使用されたのは2012年の三笠宮寛仁親王の斂葬の儀に際してで、今回が2度目の使用となる。

基本的なスタイルはリムジンのセンチュリーロイヤルをベースとしているが、さらにハイルーフ化され、Cピラー部から後方にルーフが延長されワゴン形状としている。リアコンビランプは縦型でクリアカバーとなっているのが特徴的。

プリンスロイヤルにも寝台仕様が用意されており、昭和天皇の大喪の礼の際にその姿を見ることができたが、センチュリーロイヤルにもちゃんと寝台仕様が用意されていたのだ。

豊島岡墓地はベストカー編集部のある文京区音羽にほど近く、実はこの車列は編集部の前を通る音羽通りを走っていったのだ。漆黒の皇宮警察サイドカーに周囲を守られ、厳かに走り抜けていったセンチュリーロイヤル。

ものがものだけに、これ以上の詳細は明らかにされてはいないが、エンジン等はベースとなったセンチュリーロイヤルと同じであろう。あまり出番がないほうがいいクルマなのだが、とはいいつつも、やはりなくてはならない存在の車両ということなのだろう。