近藤真彦監督独占インタビュー 「若い子たちにクルマに関心を持ってほしい」

スーパーGT、スーパー耐久などでおなじみのKONDOレーシング。その監督を務めるのが近藤真彦監督だ。今回はWEBベストカーが近藤監督に独占インタビューする機会をいただき、若者とクルマに関してインタビューを実施。監督は若者にクルマの楽しさを知ってほしく熱心に活動中。チームのピットに日産大学校の生徒を招き入れ、本物の空気を体感させようとするほど熱心だ。そんな近藤監督の熱い言葉をお届けしよう。

文:WEBベストカー編集部/写真:塩川雅人


若い子たちにクルマの仕事に携わってほしい

BC:スーパー耐久シリーズチャンピオンおめでとうございます。スーパーGTも2勝をあげましたが、どのような1年でしたか?

近藤監督:ありがとうございます。初チャンピオンなので嬉しいですね。2017シーズンもGTもスーパー耐久もさらなる頂点を目指して頑張ります。

BC :スーパー耐久で日産自動車大学校とのコラボレーションプロジェクトをしていますが、近藤監督ご自身の思いはどのようなものですか?

近藤監督:2016シーズンで5年目を迎えたプロジェクトですが、日産自動車大学校の学生をレース現場で教育するというものです。教育プロジェクトですから、学生たちを育てなければならない。プロジェクトの最初期は大変でしたよ。

BC:現場からの反発もあったのですか?

近藤監督:学生をピットのなかに入れるまではよかったのですが、ある日メカニックから電話があったんですよ。「監督、本当にこの子たちをこれからも現場に入れるんですか?」って。プロの目から見たらまだ技術的にも、年齢的にも若いから当然の反応ですよね。

BC:それでもやるとおっしゃったのですか?

近藤監督:僕をはじめ、日産自動車大学校の先生方なども必死に説得してくださってこのプロジェクトが始まりました。

BC:レースの現場にいわば素人の学生たちを入れるリスクはあると思いますが、そこまでする原動力はなんだったのでしょう?

近藤監督:とにかく若い子たちに自動車産業に感心を持ってもらいたい。日産自動車大学校に行ってみて、つまらなければ辞めてもいい、日産自動車に就職しなくてもいい。でも、とにかくクルマっておもしろいということを多くの子に理解してもらいたかったんです。

1月9日開催の第7回イイコトチャレンジにてインタビューを実施。近藤監督は多忙のなか、ベストカーだけに熱い思いを語ってくれた

日産で2016シーズン唯一のチャンピオン獲得でニスモフェスティバルで表彰されたスーパー耐久24号車。学生の頑張りもあった

子どもの教育に関して望むこと

BC:いまの子どもたちへの教育に問題点を感じられるということでしたが。

近藤監督:子どもたちの問題というよりも、学校現場での問題が大きいのかなって思います。「生徒さん、生徒さん」って扱いが多いじゃないですか。そこは是正していかないと問題は大きくなると思います。

BC:子どもたちをお客さん扱いをしている教育機関が多いということですか?

近藤監督:叱ることを恐れていると思います。レース現場でもその葛藤はありました。現場のメカニックやチームマネージャーは怖いですからね(笑)。彼らはガツンと言うとシュンとしてしまう。

BC:萎縮してしまう?

近藤監督:最初のうちはそんなこともありましたよ。でも命に関わることだから叱られているんだ、と気づく子が多くて安心しました。本気で子どもたちに向かい合うのは大人も体力が必要ですし、勇気も必要です。子どもたちの様子をしっかり観察するのも大切です。

BC:レース現場では監督自身も学生に指導することはありますか?

近藤監督:広報担当の学生たちが、学校で用意してきた当たり障りのない質問を僕にするんですよ。そういう時に「レースでさっき起こったことを聞けよ!!」って言ってしまうこともあります。学校の教室で考えてきたこと聞くだけなら、レースの現場にいる意味がないでしょ? 報道のプロの皆さんはそうでしょ?

BC:(うなずく)。監督から直接ご指導をいただけるなんて、きっと一生忘れられない体験になりますね。幸せな学生さんです。今後もKONDOレーシングのご活躍に期待しています。

近藤監督:ありがとうございます。今後も日産自動車大学校とKONDOレーシングのスーパー耐久プロジェクトにご注目ください!!

近藤監督は藤井誠暢選手(右)、日産自動車大学校愛知校校長 田中篤司先生(左)をはじめ、多くの関係者とともに学生の人財育成に励んでいる(※東京オートサロンにて許可を得て撮影)

日産自動車大学校×KONDOレーシングのプロジェクト詳細について

日産自動車大学校とKONDOレーシングのコラボプロジェクトの詳細については、1月26日(木)発売のベストカー2月26日号でも掲載します。学生、藤井誠暢選手のインタビュー、そして近藤監督のインタビューの続きを掲載。ぜひご注目ください。

先日のオートサロンでタイヤ交換デモを披露してくれた日産自動車大学校の学生たち。GT3マシンのタイヤ交換をできるのは日産自動車大学校ならではの貴重な機会だ