オートモーティブワールド2017が始まる。クルマは先端技術でできている

世界最大級の「クルマの先端技術展」が東京ビッグサイトで1月20日まで開催中だ。クルマの電子化・電動化、IT化、軽量化など、クルマ業界が今もっとも力を入れている重要テーマの最新技術が一堂に集まっている。900社もの出展があった会場から、いくつかピックアップして紹介しよう。

文:WEBベストカー/写真:WEBベストカー


クルマ業界が抱える課題を解決

エンジンがあって、タイヤとハンドルがある……。クルマが発明されたての頃、クルマは今よるもずっとシンプルな乗り物だった。ところが、今やクルマは電子制御の塊のような存在で、走るコンピュータと言っても過言ではない。当然ながら、ユーザーが求める機能も多様化し、解決しなければいけない課題も複雑で多用化しているわけだ。

いま開催中の「オートモーティブワールド」では、クルマとクルマ社会が発展していくために、解決しなければいけない課題について、さまざまな技術の提案がなされている。

たとえば、セキュリティ。昨今、コンピュータウイルスによるクルマの乗っ取りが心配されるようになったが、こうしたプログラムの改ざん防止に対処するための展示もあれば、ミラーレス車の実用化に向けて、カメラ映像の改ざんを防止するための暗号化技術なども展示されていた。

またクルマの機能が複雑で高性能になるほどに、さまざまな情報を確実に処理するデバイスコントローラーに高い能力が要求されるようになる。クルマを操作する私たちは、「ステアリングを切る」「ボタンを押す」などの操作に対する応答を、当たり前のことのように受け止めているけれども、この間に目には見えない膨大な量の情報が制御されて、ドライバーにとっての“当たり前”が実現されている。

クルマが目に見えない多くのデバイスで制御されていることを実感できる展示があったので、紹介しよう。ロームブースの「オートモーティブソリューションデモ」だ。このデモには、自動運転やミラーレスといった近い将来実用化が期待される機能がたくさん盛り込まれているが、これらの機能を実現するのに欠かせないコントローラやセンサーをロームが開発している。たとえば、サイドミラーレスの機能は、カメラとモニターがあれば成立するという単純なものではない。特にミラーの代わりを果たす、ミラーレスの機能は、故障などで映像が表示されないとなれば、致命的な事故につながる可能性もある。そこで、“機能安全”に対応する液晶パネル向けデバイスが開発されている。

ユーザー目線では「その程度の機能」なんて軽く考えてしまうものにも、目に見えない膨大な技術が積み重ねられて成立しているのだ。

スマホをエントリーキーにして、個人認証を行うための「Bluetooth通信モジュール」や、ドライバーをモニタリングするための「脈波センサー」、ミラーレスシステムのための「ディスプレイコントローラIC」など、さまざまなデバイスが未来の運転席を実現する

ロームは、フォーミュラーEのマシン駆動の中核を担うインバータ部分に、世界最先端のデバイスを供給している

 

今回開催中の「オートモーティブ ワールド」は以下の5つの展示会で構成されている。
・国際カーエレクトロニクス技術展
・EV/HEV 駆動システム技術展
・クルマの軽量化技術展
・コネクティッドカー EXPO
・自動車部品&加工EXPO

まさに、クルマが多様な技術の結晶であることを実感できる展示会だ。なお、同時開催で「ウェラブルEXPO」なども開催されている。こちらでは、IoTやAR/VRなどを使った最新のウェアラブル総合展となっている。

脳波から眠気を感知し、居眠りを防止する「Drive Score」。脳波センサーを装着し、常時ドライバーの状態がモニターできるシステム

センサーを装着して、最初の診断を行ったところ。ハンドルを握る前に、眠気の問題がないかチェックできる