目立たないけどいいクルマ!~月販平均500台以下の実力車たち~

 愛あるレビュー16連発


売れてるクルマがいいクルマとはかぎらないし、しょっちゅう話題を振りまくクルマが
優れたクルマとはかぎらない。

デビュー以来ほとんど話題にならず、マイチェンしても本誌でちょこっと紹介するだけで、
ロケで撮影すらしないクルマたちだって、開発者や営業マンにとっては我が子のように大切な新車であり、
オーナーさんたちにとっては大事な愛車。

そういう話題性こそここ最近薄れているものの、実は大変いいクルマたちが大好きなベストカーは、
ズラッと並べて紹介いたします!!


トヨタiQ      【 2013年の販売台数:1,276台】

トヨタ_iQ

  ’07年の東京モーターショーにコンセプトカーとして登場し、「ついにトヨ タがAセグメントカーを本気で作った!」と大騒ぎになったiQ。

オフセットされた運転席と助手席で、全長わずか2985㎜というミニサイズながら4人乗りを実現。アストンマーチンへのOEM供給、「GRMNスーパーチャージャー」100台限定で発売、電気自動車バージョン「eQ」限定発売など、話題性満点のはずなのにベース車はそれほど話題にならないという不思議なクルマ。日本には小さな4人乗り=軽自動車の素晴らしいクルマがたくさんあるからね……。

2008年10月に初代が正式発表。欧州仕様にはコモンレール式のディーゼルターボを用意


トヨタ カローラ ルミオン  【2013年の販売台数:4,950台】

トヨタ_カローラルミオン
’07年6月にカローラスパシオの実質的後継車として登場。北米市場で販売されているサイオンxBをベースにフロントマスクなどの変更を受けてデビューした。カローラシリーズのユーザー層が高齢化しているのを受け、当時ヒットしていたbBの別バージョンとして新たな支持を獲得すべく投入されたが、「若者たちのあいだでルミオンが超話題になっている」という話は残念ながら聞こえてこない。

現行型のカローラアクシオは’12年5月にフルチェンジしたが、ルミオンは継続販売。プラットフォームはオーリスなどに使用される海外向けのカローラセダンを使用している。

2007年10月発売。独特なフォルムが特徴。北米では若者向けのブランド「サイオン」で発売


 

レクサス HS250h 【2013年の販売台数 5,735台】

レクサス_HS250h

レクサス初のハイブリッド車であり、かつFFセダンでリーズナブルな価格だったことから’09年7月の発売当初はスマッシュヒット。月間販売目標台数500台のところに発売1カ月で8600台の受注を計上した。しかしデビュー同年の冬にトヨタブランドで兄弟車であり価格もリーズナブルなSAIが発売。レクサスブランドでも’11年1月には同じくハイブリッドでFF車であるCT200hが登場し、影が薄くなっていく。兄弟車のSAIは独特のフロントマスクと真木よう子さんの妖艶なCMで話題になるなか、なんとかHSもかつての華やかさを取り戻してほしい。

2009年7月発売。レクサス初のハイブリッド専用社として登場。’13年1月にビッグマイチェン


日産 スカイラインクロスオーバー  【2013年の販売台数 447台】

日産_スカイラインクロスオーバー

 ’07年12月、北米市場向けにインフィニティEX35が発表され、その斬新なマスクと流麗なスタイルで話題に。その流れをうけて日本市場では’09年7月、スカイラインクロスオーバーとして登場した。

インフィニティEX登場時からそのスタイリングには注目度が高かったが、いかんせん高額であったため(約500万円)、売れ行きは伸びず。’10年に一部改良、’12年にも仕様変更を実施するなど細かいテコ入れを繰り返すが、大幅な販売増とはなっておらず、’13年の年間販売台数はわずか447台……。スカイラインというブランドを背負っているのだから、健闘を期待。

2009年7月に初代発表。現在もそのモデルが発売中。北米ではインフィニティEXとして人気


 日産 ウイングロード 【2013年の販売台数6001台】

日産_ウイングロード

今や日産唯一のステーションワゴンとなったウイングロード。初代はサニーワゴンの系譜を継ぐ車両として’96年に登場。’01年にビッグマイチェンでフロントマスクを極端な釣り目にしたことでヒットし、当時のワゴン人気にも乗って大いに販売台数を伸ばした。

’05年10月にフルモデルチェンジして3代目となり、現行型として現在も販売。ほぼ2年ごとに一部改良を施し、リーズナブルなワゴンでライダーシリーズなど人気のグレードもあるものの、今イチ話題にならないのが現状。乗れば使いやすいし気を遣わないしで、いいクルマなのだが(註/褒めてます)。

2005年11月に現行型が登場。商用車のAD/ADエキスパートと多くのパーツを共用する


ホンダ ストリーム 【2013年の販売台数2863台】

ホンダ_ストリーム

セダンタイプミニバンの先駆的存在で初代は’00年に誕生し、スポーティな走りで大人気となる。’03年にウィッシュが誕生して以降、脇役的存在になるが、’06年に登場した現行は小変更を繰り返して、熟成されたモデルになっている。

今や稀少な5ナンバーサイズに収まるボディは取り回しやすく、セカンドシートをセパレートの2人掛けとした室内も想像以上にくつろげ実用的だ。

6人乗れるステーションワゴンという感覚が新鮮。今年フルモデルチェンジが噂されるが、
5ナンバーサイズにこだわるならば、現行は買いで、お勧めは1・8RSZだ!

06年7月登場の現行モデルは毎年改良を重ね、’12年のMCで6人乗りとなった

 


ホンダ バモス 【2013年の販売台数5848台】

ホンダ_バモス

初代バモスは1970~’73年に販売していたオープンタイプの軽トラだった。それが’99年6月、それまで軽ワンボックスワゴンとして販売されていたストリートの後継車として登場。現在に至っている。

発売後15年目を迎えている最古参車種のひとつであるが、定期的にマイチェンや細かい一部改良を実施しており、地味に根強いファンを抱えている車種でもある。

ハイルーフ仕様は「バモスホビオ」という車名で、ノーマルのバモスとともにRV要素が強いオプション設定なども用意。地味ながらもなかなか力の入った車種。

1999年6月にストリートの後継として発売。ホンダ車のなかでも最古参の一台。細かく進化中


三菱 RVR 【2013年の販売台数3112台】

三菱_RVR

初代は’91年デビュー。2列シートながらスライドドアを持ち、ギャランの基本コンポーネンツを流用しつつも屋根が開くオープンギアやランエボのドライブトレーンを流用したスーパースポーツギアなど、豊富なグレード展開を見せ、折からのRVブームにも乗って大ヒット車種に。しかし’97年登場の2代目になってから人気は下降し’02年に一度絶版。現行型は’10年2月にまったくの新型としてデビューした。

毎年のように細かい仕様変更やMCを実施し、4月25日にも一部改良を実施したばかり。ライバルのジュークが好調なのを考えるともっと売れていい車種。

現行型は2010年7月発売。4月25日の一部改良でJC08モード燃費は16.6㎞/ℓへ向上した


三菱 デリカD:3 【2013年の販売台数406台】

三菱_デリカ

こういう企画でOEM車を出すのは反則気味な気もするが、地味なものは地味なので気にせず登場。日産NV200バネットの三菱版OEM車で5人乗りと7人乗りがある。デリカシリーズはD:5が三菱オリジナル車種でこのD:3はNV200、D:2はスズキのソリオからのOEM供給車。

トヨタがノア/ヴォクシー、ホンダがステップワゴン、そして日産がセレナで熾烈な販売競争を繰り広げている5ナンバーミニバンカテゴリーで、日産もセレナを供給してあげなよ、と言いたくなるような協業体制。
セレナはスズキに「ランディ」として供給してたっけな……。

2011年10月に日産からのOEM供給で発売。NV200との違いはフロントマスクと装備関係


 三菱 プラウディア 【2013年の販売台数147台】

三菱_プラウディア

三菱の、日産からのOEM車第2弾。もともとプラウディアという車名は’00~’01年に販売していた三菱とヒュンダイの共同開発による高級サルーンに使用。総生産台数は1228台とかなり希少だが、ライバルであったセルシオやシーマに対しFF車であることから、広い室内空間などをアピールしていたレアな名車。

いっぽう11年ぶりに復活した現行型は’12年9月にデビュー。日産フーガのOEM供給車となった。違いはエンブレムとグリルのみだが、縦桟グリルは何か異様な迫力があり、本企画担当、品川近辺で見かけた時は
かなり胸が躍った。

2011年9月、日産シーマのOEM車として登場。同じくディグニティもシーマのOEM車となる


マツダベリーサ 【2013年の販売台数4227台】

マツダ_ベリーサ

デミオの高級版として’04年6月にデビュー。以来細かい改良を実施し現在に至る。ファミリアが生産中止となりアクセラとなったことで、車格としてアクセラとデミオとの間を埋める車種として期待された。

コンセプトとして「小さな高級車」が掲げられており、本革シートがオプション設定され、インテリジェントキーや大きめの後席シートが標準設定されている。

先代デミオと共通のプラットフォームを使用しており、そのデミオは’07年にフルモデルチェンジ。マツダの代名詞となりつつあるSKYACTIVは搭載されておらず、今後が心配。

2004年6月発売。今年で10年目だが細かいマイチェンや改良を実施してきている


マツダ MPV 【2013年の販売台数1563台】

マツダ_MPV

初代は’88年登場、現行型は’06年2月に登場した、マツダのフルサイズミニバン。全車8人乗りだが、2列目は「KARAKURIシート」と呼ばれる左右に分かれたキャプテンシートをどちらかに寄せることが出来る特徴的なアレンジが可能なシートを持つ。

マツダらしい引き締まった足回りとシッカリしたハンドリングが特徴的なミニバンだが、ミニバンにそういう走行性能を求めるユーザーの絶対数が少ないため販売はそこそこ。それでもマツダ車のなかでは健闘しているほうで、大幅値引きが期待できる車種の常連。もう一つ二つウリがほしいところか。

2006年2月に発売。スポーティなマツダらしい走りを持つミニバンとして根強いファンを持つ


スバル エクシーガ  【2013年の販売台数4975台】

スバル_エクシーガ

先代レガシィをベースにした7人乗りのスポーツミニバンで、全車4WDというところがスバルらしいこだわり。
発売は’08年だが、きっちりと年次改良が行われていて、走りに関しても装備に関しても古さは感じず、アイサイトを選べるところも魅力だ。

居住性はたっぷりというものではないが、後ろに行くほど座面を高くしたシアターレイアウトのため視界がよく、ロングドライブでも会話が弾みそう。
6月20日にレヴォーグが発売になるが、ディーラーに行って2台比べると、7人乗れるエクシーガのほうに惹かれてもおかしくないクルマだ。

’08年6月に誕生したスバル初のスポーツミニバン。2ℓターボ225㎰の走りは痛快


スズキ スプ ラッシュ 【2013年の販売台数1257台】

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先代スイフトのプラットフォームを使用し、ハンガリーにあるマジャールスズキ車で製造され日本へ(逆?)輸入されてきている異色のコンパクトカー。オペルブランドにOEM供給され、アギーラという車名で欧州にて販売。

欧州で製造されていることもあり、シッカリとした走りにクルマ好きからの評価も高く、知る人ぞ知る名車的な雰囲気を醸し出している。ジャーナリストたちからは特にシートとサスペンションの評価が高いが、現行型スイフトがあまりによすぎてイマイチ埋もれてしまった感。それでも10年後には名車と呼ばれているはず。

2008年3月に欧州で発売、日本発売は同年10月。月販目標台数は500台と控えめだった


スズキ キザシ 【2013年の販売台数1373台】

ƒvƒŠƒ“ƒg’07年の東京モーターショーにコンセプトカーとして突如出品され、スズキ関係者に聞いたところによると「単なるチャレンジ」と言っていたのに、’09年10月になっていきなり発売され業界中が驚いたのがキザシ。世界中の高級車メーカーがしのぎを削るDセグメント(ベンツCやBMW3)にスズキが殴り込みをかけるとは……と仰天した。

静岡県の相良工場で製造するものの、あくまで主戦場は米国と欧州のようだが、日本国内では「キザシ=捜査用覆面パト」のような状態となっている。’13年の販売台数1373台のうち約900台が警察に納入されているという状況だ。

2009年7月に米国で発表、日本では同年10月に受注生産で販売開始。米、欧、中でも販売中


スズキ SX4【2013年販売台数737台】

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初代はフィアットとの共同開発で、日本では’06年4月に発売開始。フィアットではセディチという車名で販売している。ボディカラーや各種オプション設定でSUVのような雰囲気が与えられており、あえてカテゴリー分けすればクロスオーバーハッチバックといったところ。

’13年3月のジュネーブショーで2代目が発表され、昨年秋からハンガリー工場で生産が開始、欧州各国へデリバリーが始まっているが、日本にはこのモデルは導入されていない。

キザシと同様、最近では捜査用覆面パトとしての存在が目立っている。

欧州仕様は2005年1月、日本仕様は2006年7月から発売を開始。セダンは’07年7月から


不人気車こそ豊かさのあかし

三本和彦  こんにちは、三本和彦です。
今日は不人気車の話をしてくれと言われました。
え? 不人気車と言ってくれるな? そんなこと言ったって売れ行きが今イチなクルマをどう言いつくろったって、不人気なものは不人気なんですよ。

   ただですね、日本というのは世界に誇る自動車メーカーが8つもあって、それぞれが競い合ってクルマを作っています。

一時期ほどではないけれど、どのメーカーも「ウチのクルマのラインアップに穴があるようだから、その隙間を埋めるこんんなクルマを作りました」という考えが大好きなんだね。

そうして新型車が生まれる。これはユーザーにとっては大歓迎すべき事態なんですよ。だってより多くの車種から選べるんですから。

日本では買ってから好きに改造する人というのは減っていますが、その代わりに新車で選べるクルマがたくさんある。これは日本の自動車産業がうんと豊かだからできることなんです。